こんにちは!
今回は、銀行員の仕事についてのお話です。
私は自分自身が2017年まで銀行で働いていました。
周りにはまだ現役で銀行員をしている友人も多くいるのですが、とにかくみんな口を揃えて言うのが「銀行の仕事がきつい」ということ。
銀行員の人と話すと「辞めたい」とか「つらい」とか、そんな話ばかりです^^;
なんでこんなに銀行の仕事がきついのでしょうか?
私は、銀行の仕事がきつい理由や人事評価の現状についてお話しさせていただきます。
もくじ
銀行の仕事がきつい理由は評価制度にあり?
自分が銀行員だった頃、そして辞めてからも「銀行の仕事がきつい」という声は上がり続けています。
他の業種でも体力的、精神的にきつい仕事はたくさんあると思いますが、銀行員で「仕事が楽」と言っている人は見たことがありません。
(いたとしてもヤセ我慢的な痛い人or全ての基準が高い超人系)
なぜ銀行の仕事がきついのか、現役の銀行員だった頃は考える余裕もありませんでしたが、辞めて1年経った今、ようやくゆっくり考えることができました。
ここでは、銀行の仕事がきついと感じる理由についてお話しさせていただきます。
とにかくノルマがきつい
銀行員は男性でも女性でも、毎年大量のノルマが課せられます。
求人票の仕事内容は「事務職」となっていますが、窓口の女性も大量のノルマを課せられるので…もはや営業職のようなものです。
私は信用窓口の担当でしたが、預金、クレジットカード、年金、融資、投資信託、保険…など様々な目標を設定されていました。
これらの目標は本店から課された店舗全体の目標を個々に割り当てたものです。
つまり、自分がやらなければ店舗の目標が達成できずに他の人にも迷惑がかかることとなるのです。
ですので、自分の担当している範囲外の数字を割り当てられることもあります。
正直、これらの数字を窓口の接客だけでクリアしていくのはほぼ無理。
でも、ノルマが達成できないと上司から圧力をかけられたり、先輩社員から嫌味を言われてしまいます。
店舗全体の会議中に名指しで「どうなってるの?」と詰め寄られて胃が痛くなることもよくありました^^;
泣く泣く、自分や自分の家族で契約をする”自爆”でその場をしのぐ人も多いですが、それもそう毎年続けられません。
なんとかノルマを達成しても、一年が終わればまた実績はリセットされてゼロからのスタートとなります。
銀行で働いている間は、積み上げた数字のリセット&ノルマとの戦いがスタートした絶望感を毎年味わうこととなります。

とにかく事務が細かい
銀行はお金を扱う仕事ですので、とにかく神経を使います。
当然一円のミスも許されませんし、ルール通りの業務遂行が求められます。
そのルールというのも業務ごとに全て細かく設定されており、分厚い何冊もの本の規定を守らなければなりません。
普通の人間の頭では覚えきれませんので、その都度その都度規定集を開いて該当する項目を探して…と確認作業の手間もすごいです。
なぜそこまでしてルールを守らなければいけないのかというと…監査が怖いから!
監査でミスが指摘されると、指摘された問題に対して会議を行い、改善策を提出し、数ヶ月間のモニタリングを実施しなければなりません。
大きなミスの場合は本店や県行政まで行き渡り、吊るし上げ状態に。
一度指摘されると監査の量も増えて、他のミスも見つかりやすくなる悪循環になります。
当然「誰のミスだったのか」というのも噂になりますから、ミスをした張本人のメンタルはズダズダ。
「給料とすり減らす神経が割りに合わない」と銀行員の誰もが思っていることでしょう。
できて当たり前の評価スタンス
ノルマも事務作業も大変な銀行員ですが、これらは全て「できて当たり前」です。
銀行の仕事は基本的に減点方式です。
ノルマも細かい事務もできて当たり前。
これらもできなければマイナス評価になるだけで、基本的に加点される箇所がないんですよね。
「評価とか全く気にしないから一定のお給料がもらえればそれでいい」
という人もたまにいらっしゃいますが、そういった方々は圧力をかけられても気にしない強靭なメンタルを持っています(笑)
圧力や嫌味を言われる日々は普通の人なら耐えられません。
だから頑張るんだけど、その頑張りさえ「やって当たり前」という現状。
私はこの減点方式の評価の仕方が「つらい」と感じる原因だと思っています。
つらい・きつい仕事でも、頑張ったことが報われたり、正当に評価されればやりがいを感じて乗り越えることが出来るんです。
きつくても最終的にしっかり評価されれば「やってよかったな」とそれまでの過程を受け入れることができます。
逆に頑張りが報われなければ「頑張っても無駄だった」と感じます。
終わりよければすべてよしではないですが、最終的に自分の頑張りがどう認められるのかってすごく重要な部分ですよね。

減点主義の人事考課の現状
銀行は評価方法が減点方式だというお話に加えて、人事考課の現状に触れておきたいと思います。
私の目から見た人事考課の印象は「減点方式」で「数字至上主義」です。
どういうことなのか、これから人事考課の仕組みなどから順番にお話ししていきますね。
人事考課の方法
人事考課(又は人事評価)とは… 社員の業務の遂行度や実績などを評価して、賃金や昇進等の人事施策に反映させる仕組みのことを指します。 回数としては半期に一度程度、定期的に実施されます。 |
人事考課の方法としては、私の勤めていた銀行の評価方法を例に出すと…
- 自分自身で実績や自己評価をつける
- 直属の上司が評価をつける
- 店舗長→本店人事担当がチェック
という流れで、必要に応じて修正がなされます。
もちろん、自己評価は「頑張った」とか「努力した」はNGで、全て数的に表さなければいけません。
数字で全てが評価される「数字至上主義」です。
目標達成できて「B」評価
銀行の人事考課は、年度初めに自分と上司で決めた目標に対しての結果に応じて評価をしていきます。
評価の基準について、目標が達成できて初めて「普通」評価となります。
実際にあったお話を例に出すと…
私はある分野の目標が10件だったのに対して12件獲得ができたので、S〜D評価の中から「A」という自己評価をつけました。
すると、本店から「評価をBに落としてください」と連絡が来ました。
普通に目標を達成したのではAはつかないのです。
どうすればAになるのか聞いてみると「20件くらいで大きく目標を達成したのなら…」とのこと。
まさに「できて当たり前」で、目標達成しても評価は「B」で「A」ではないのです。
1件でも評価を下回れば「C」がつきます。
目標達成してもプラス評価にはならないので、当然達成感も生まれませんね。
結局本店のさじ加減
本店に提出した評価は、必要に応じて修正されてしまいます。
先ほどのA評価をB評価に下げた例の内情をお話しすると、直属の上司は「その店舗で12件の数字を獲得する大変さ」を見てくれていたのでA評価で通してくれました。
店舗の規模や地区により5件獲得するのが簡単な店舗もあれば、めちゃくちゃ大変な店舗もあります。
しかし、結局私の評価は「B」となりました。
その店舗での数字獲得の難しさは全く関係ないということです。
当たり前といえば当たり前の話ですが、だったら最初から上司の評価なんていらないですよね(笑)
結局は数字だけを見た本店のさじ加減で全てが決まってしまうのです。
数字至上主義のメリット
数字至上主義の銀行の人事考課ですが、それなりにメリットもあると考えています。
それは、評価基準が明確だということ。
大きな会社でも、評価方法が不明瞭なことは珍しくないと思います。
私の銀行は数字至上主義と評価基準が分かりやすかったので、とにかく数字をあげることに集中すれば良かったのです。
(ミスをすれば評価は下がるので事務作業には気を張りますが)
上司に嫌われていても数字をあげれば評価せざるを得ません。
先ほどのお話のような店舗によっての数字獲得の難しさや普段の頑張りは認められませんが、人の感情が入りにくいのはメリットと言えますね。

現状は今後も変わらないと思う
銀行の評価方法は「減点方式」で「数字至上主義」です。
この現状は、今後も変わらないと思います。
大きな会社で評価方法を変えることも難しいため、私たちが働いている間は変わらないでしょう。
評価する側からしたら数字で評価するのは一番簡単ですからね。
ですから、減点方式の世界から抜け出したかったら評価する側に回る、もしくは会社を辞めるしかありません。
「評価する側に回る」というのは出世するということですが、それこそトップにならないと中間管理職になるだけなので評価される側であることには変わりません。
私は学歴や性別などを考えても会社でトップになることは不可能でしたので、あのまま銀行を辞めなければ一生評価される側の人間でした。
残りの人生をどう生きたいかと考えたら、やっぱり減点方式なんて嫌ですよね。
会社を辞めて起業をしたことで、減点方式のシゴトから解放されました。
もちろん責任もありますし、数的目標を自分で設定して取り組む必要もあります。
ですが、基本的に減点されることがないので評価されるストレスがありません。
現状に不満があるのならば「加点方式の生き方」を自分で選んでいきましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
海が近くにある大好きな街で、好きな時に起きて、好きなだけ働いて、好きな人とだけ過ごす...こんな自由な生活をしています。
今でこそストレスフリーな生活を送っている私ですが、つい最近までは普通の銀行員で家と職場を往復するだけの平凡な毎日を過ごしていました。
やりたいことはもちろん、これといって得意なことも、夢中で打ち込めるものもありませんでした。
では、私はどうやってここまでたどり着いたのか...興味がある方はよかったら私のプロフィールをご覧ください。
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